Waped Passage からの抜粋。
1.基礎知識
(1)素粒子物理学 (Particle Physics);
・原子
→原子は原子核と電子に、さらに原子核は陽子と中性子から構成される。また中性子は、原子核の外では15分の寿命で、陽子・電子・反ニュートリノに崩壊する。
→陽子や中性子は、さらに素粒子であるクォークから構成されており、ハドロン(=クォークとグルーオンのある組み合わせ)と呼ばれている。さらにハドロンは、バリオン(6種類のクォークのうち、任意の3個が結合したもの)、メソン(クォークと反クォーク対、別名中間子) とがある。陽子はuクォーク2つとdクォーク1つからできたバリオンの1種であり、中性子はdクォーク2つとuクォーク1つからできたバリオンの1種である。またメソンに関しては、湯川の予言したパイ中間子は、uまたはdクォークの組み合わせでできている。
→一方で、電子・反ニュートリノは、素粒子に属する。
・素粒子;
標準理論の枠組みにおいては、素粒子は、物質粒子としてスピン1/2をもつフェルミオン、力を媒介する粒子として整数倍のスピンを持つボソン(ボース粒子とも言う ) に大別できる。素粒子に質力を与えるヒッグス粒子 はスピン0のボース粒子と、またグラビトン(→重力)はスピン2のボーズ粒子と考えられている。(光子、グルーオン、w/zボゾンはゲージボソンと呼ばれている)
フェルミオン(スピン1/2、質量あり) ★クォーク アップ(u)、ダウン(d)、チャーム、ストレンジ(s)、トップ(t)、ボトム ★レプトン(軽粒子) 電子、ミューオン、タウ、ニュートリノ(ミューオンは1/1000秒後に電子とニュートリノに分解) ボソン(整数倍のスピン) ★ゲージボソン 光子 電磁場(質量無し) グルーオン 強い場(質量無し) Wボソン 弱い場(質量あり) zボソン 弱い場(質量あり) ★グラビトン(スピン2) 重力(質量無し) ★ヒッグス粒子(スピン0) 素粒子に質力を与える
★1970年代半ばに完成した素粒子物理学の基礎的な枠組みである「標準モデル」によると、物質を構成する素粒子についは、レプトン6種類(うちニュートリノ3種類)、クォーク6種類、ゲージボソン3種類+グラビトン1種類+ヒッグス粒子1種類=12+5=17種類の素粒子が存在すると予想される(2016.6.19日経)。
・族と粒子
族 粒子 第1世代 電子、アップクォーク、ダウンクォーク 第2世代 ミューオン、ニュートリノ(電子に似ている)、c、s 第3世代 タウ、ニュートリノ(タウに似ている)、t、b
・標準模型の理論的原理 ①自然の基礎にある法則は一見異なるように見えるが、ある粒子を方程式の中で入れ替えても変わらない。 ②電子のように電荷をもつ粒子が存在する時、他の場が存在して、その粒子を相互作用をするのではない限り、矛盾のない量子論を作ることはできない。 (2)対称性・超対称性、自発的対称性の破れ; ・超対称(SUZY)→超パートナーの存在 →フェルミオンとボソンはその性質が非常に異なり、その役割も違うが、理論そのものの中では対称な形に表れるという仮説に基づく対称性。 →超パートナー自体はまだ未観測だが、但しあらゆる超パートナーは、実験室内での衝突では生成が可能である。 →超パートナーは崩壊後、最も軽い超パートナー(LSP)と標準模型の粒子(電子、クォーク、光子等)で安定する。また、LSPはダークマターのかなりの部分を占めているとも言われている。 →SUZYは、プランク長に近い非常に短い距離で、「電磁力」「弱い力」「強い力」を「重力」と統合することを示唆する。 (3)ひも理論・超ひも理論; ・弦理論(String Theory) →重力論、相対論的普遍性、重力、標準模型の粒子と力を一つの矛盾のない理論に統合するもの。 →その為に、理論を10次元の時空間で定式化する事が必要。(2))、ホル・ニールセン(ニールス・ボーア研究所)、レナード・サスキンド(スタンフォード大学)が、小さな振動する一次元のひのを素粒子のモデルとすれば、核相互作用をオイラーの関数でぴったりと記述できることを示した。(※1) →Wiki: 弦理論、String Theory ・M理論 →11次元の時空間で定式化。 →5つの弦理論(全て10次元)の見かけの形を統合した理論。 ・ガビリエレ・ヴェネチアーノ(Cern、1968年) →オイラーのベータ関数を使えば、強く相互作用する粒子が備える数多くの特性が一挙に記述できてしまうように思われた。 →南部洋一郎(シカゴ大学(1) 2.Warped Passage の構成 Ⅰ.Dimensions of Space (and Thought) 第1~4章 Ⅱ.Early Twentieth-Century Advances 第5、6章 Ⅲ.The Physics of Elementary Particles(素粒子) 第7章: The Standard Model of Particle Physics: Matter's Most Basic Known Structure 第10章: The Origin of Elementary Particle Masses: Spontaneous Symmetry Breaking(自発的対称性の破れ) and the Higgs Mechanism 第13章: Supersymmetry(超対称性): A Leap Beyond the Standard Model Ⅳ.String Theory and Branes 第14章: Allegro Passage for Strings 第15章: Supporting Passages: Brane Development 第16章: Bustling Passages: Braneworlds Ⅴ.Proposals for Extra-Dimensional Universes 第17~23章 Ⅵ.Closing Thoughts 第24、25章 3.参考書籍 ・※1→エレガントな宇宙(ブライアン・グリーン、草思社) ・A brief history of time(邦訳;ホーキング、宇宙を語る) 4.関連Webサイト ・Book; warped passages(ワープする宇宙(amazon)) ・研究所などのHP →やさしい物理教室KEK:高エネルギー加速器研究機構のHP内に、子供向けの”キッズサイエンティスト”というページがあり、さらにその中の”やさしい物理教室”に素粒子物理などがわかりやすく紹介されている。 ・個人のWeb・ブログ; →『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』 - あとりの本棚 ~SFブックレヴュー~ →イベントホライズンへの道 目には見えない5次元の世界が存在する →無精庵徒然草 物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論 →女性理論物理学者:リサ・ランダル(ランドール?)Lisa Randall さんのこと
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